百年前の機械式時計と今年の最新機械式時計。
構造や仕組みなど、基本的に大きな違いがあるわけではありません。
ゼンマイがほどける力を使って、連なっているいくつかの歯車を動かし、
最終的に針を動かす。これが機械式時計。
ちなみにゼンマイがほどける力とは、
金属が本来の(自然体でいる)形状からぎゅっと縮こまれていて、
その状態からもとの形に戻りたい、とするときの力です。
少し話はそれますが、
これが振り子時計や分銅式時計であれば、
その部分の役割(原動力)として重力を使っています。
重さのあるものは高いところから低いところに落ちたい、とする力を使っているわけです。
話しを戻し、腕時計は携帯するものですから、四六時中、天地も変わるのでオモリは不適切。
結果、原動力はゼンマイを使うのが正しかったわけで、
それが百年以上変わっていない…
ということになります。
とまあ、その話しはおいておいて、
百年以上前から基本を変えず、今もあり続ける機械式時計っていったい。その魅力っていったい。。。
「味を出す」ことが目的ではありませんが、
モノを長く使っていくこと自体の愉しみは確実にあると思います。
結果として、愛着を持って長く使っていく過程で必ず「味」は出てきまして、
それはそれでまた愉しかったり嬉しかったりします。
ひとりひとりにとっての、それぞれの良い時計を
一般論で捉えることは絶対にできない。
とてつもなく素晴らしい時計が、
じつは意外と受けない…ということも割と多いことなんです。
という、とても誤解を招きそうな(笑)、前回の私のブログをご覧いただいている方が
思いのほか多いことに少々びっくりしているのですが。
本日も大事なお客様の来店がありました。
なんだか前回のブログと同じような話になってしまい恐縮ですが、
ずっと長いこと当店に並んでいたのを知っていらっしゃったそうです。
本日ご来店のうえ、
うん、まだあるぞ。。。 と確認のうえご購入いただきましたMさま。
こちらの時計は、かなりの複雑時計。
しっかり納品前点検に出させていただきます。
点検、調整にかかる約一ヶ月の納期にも快くご理解いただきありがとうございます。
当店にはこういった個性が尖っていて難しそうな時計であっても、
心から気に入ってくれるお客様が本当にたくさん居てくれる。
私たちとしてもやりがいがあり、刺激的であり、
そして時計専門店としてこの上ない財産であり、
時計専門店として育てられていると感じます。