前回のブログより、続きです。
今回、滞在ホテルのあったチューリッヒよりIWCの本拠地シャフハウゼンに移動となりました。
シャフハウゼンゆきは、チューリッヒ中央駅の13番線となります。
RE(急行)で40分ほど。 午前9時、とても寒い朝でした。
こちらは、シャフハウゼンを語る上で欠かせないライン川の滝、
名前もそのまま「ラインの滝」です。
派手さはない滝ですが、ヨーロッパを何カ国もまたがる雄大なライン川のなかで、
ここが唯一の滝なのです。
かつて、輸送船は、滝があるこの場所で、荷の積み替えを行う必要があり、
必ず、ここで停泊しました。
それがシャフハウゼンという町が栄えた要因となっています。
もっともIWCは、活気があったからシャフハウゼンに本社を置こうとしたのではなく、
ラインの滝の水力に目をつけてのことだったとは思うのですが。
ちなみに、この滝の画像は、シャフハウゼンに向かう車窓から、ちょうどよいビューがありましたので撮りました。
本当は、IWCという時計メーカが誕生する理由にあたる大きな部分だけに、すぐ近くまで行ってみたかったのですが、
電車から、全体像を見渡せるちょうど良い眺めが見れてしまったこと、
駅より少し離れていてバスに乗らなければいけないなどの時間的な都合もあり、
今回は省略することにしました。
シャフハウゼン駅に着きました。
「SBB」「 CFF」「 FFS」 は、それぞれすべてスイス国鉄を、ドイツ語とフランス語とイタリア語で表記しているものです。
これは、スイスが上記の3カ国の言葉を公用語としているからです。
「←|→」のマークはスイス国鉄のロゴマークで、一番右の「DB」はドイチュバーン(ドイツ国鉄)のロゴマーク。
「DB」マークがあるということは、この駅はドイツの電車の乗り入れがある駅である、という意味。
土曜の午前は、メイン通りの所かしこに、マルシェが出ます。
わたしはここで、Heissi Marroni(天津甘栗のようなもの)を買いました。
100gで3.5CHF(およそ450円)。
IWC本社へ向けて、メイン通りをゆっくり下ります。
朝早めの時間ということもあるのか、若者は少ないように感じました。
ですが人通りは決して少ないわけではなく、活気を感じられる街。
シャフハウゼンの人口はおよそ3万5千人。
アンティークを扱う時計店があり、つかの間のウィンドウショッピング。
覗いてみると、さすがお膝元だけあってIWCは多めでした。
話は変わりますが、当社の商品企画課の責任者O氏は、
父親が二十歳の時に祖父より贈られたというIWCを、さらに自身が譲り受け、
いつも大事に使っているので、私も見覚えがあったのですが、
そのモデルと同型と思われる時計を、ここシャフハウゼンのアンティークショップのショーウインドウで見つけました。
日本に帰ったら見せてあげようと思いつつ、思わず写真に収めました。が、
すっかり忘れていた。すぐに行動しなければ。。。(笑)
私が日頃から思っていることなのですが、
こうやって、昔の時計を見ると、今の時代にはない雰囲気で確かに格好いいと感じることがある。
ですが、本当はその格好良さもさることながら、その時代その時代の最新鋭である新品を
大事に代々受け継がれて来たからこそ、この固体そのものが格好いいのだと。
ショップに並んでいるアンティークは、
自分とは関係のないところですでに「味出し」が終わってしまっている。
もちろん、すべて否定するわけではないが、
やはり、そういう意味でもO氏の時計は本当の意味での格好良さをもっているな、と感じます。
さあ、話しが脱線しましたが…
駅からメイン通りを下ること徒歩10分ほどでライン川に突き当たります。
空はどんより、この日は本当に寒かったですねぇ。
そこを曲がるとすぐ。
これがIWCの本社。
この建物と両隣も含めIWC社となります。
スイスとしてはめずらしく全体的に白っぽくて、さっぱりとした造形の建物。
日本で考えると、ちょっと学校の校舎のような感じがします。
正面入り口。
上述したとおり、この日は土曜日ですので、
残念ながら(事前にわかっていた事だが)工場見学などは出来ない。
本社社屋内の併設されたミュージアムとブティックのみ営業していました。
ミュージアムの撮影が一切禁止されていたのは想定外で、残念ながら皆さんにご紹介できずすみません。
それでも何か形に残さねば、と、お願いしたのがこちらの写真。
快く、一緒に収まってくれてありがとうございます。
スイスのことがより一層好きになりそうです。笑
ミュージアムの内容は、ぜひ店頭で私からお話できれば幸いです。
もしくは、帰国後すぐに説明会ミーティングをしていますので、
当店のスタッフからもお話しできますので是非。
町全体を見渡すために高台に登りました。
山や丘、それと川がある町並みはスイスの代表的な風景といったところですが、
同時に、長野県の風景ともなんとなくリンクするところがあります。
こういった自然の環境が時計づくりに適しているのでしょうね。
おたがい海無し県ですからね、いやスイスは海無し国ですが。。。
さて、今回のブログは時計の話もあまりないままに長々と書いてしまいました。
ここまで読んでくださった皆さんありがとうございます。
シャフハウゼンをぐるっと回って、また駅へと戻る頃、
ようやく日差しが見えはじめました。
こころなしか、気分も上がります。
※
さて、1月のスイス・ジュネーブサロン滞在記と書き出したブログも、
次回でいよいよ最終回となります。
お付き合いいただいて本当にありがとうございます。
私は、あと数日後に、今度はバーゼルワールド出張のため、
もう一度スイスへ行きますが、
なんとか出発までに、この滞在記を書き終えられる見通しがついてきまして
少しほっとしています。
次回のブログ(最終回)はこちらから 「SIHHジュネーブサロン2016-7」