かつてイタリアに万能の天才がいました。
ヴィンチ村のレオナルドと呼ばれたその人は、人類史上最高の叡智の1人と言っても過言ではないと思います。
興味や研究は多岐にわたり、絵画・彫刻・音楽・舞台演出・軍事技術
土木工学・治水・数学・哲学などなど(時計や振り子脱進機の設計もしています)
イタリアからフランスにかけて各地の権力者に、時には世界初といわれている
履歴書を送ったり、才能を買われ招聘されたり様々な活躍をしていました。
その生涯で研究していた様々な分野のうちのひとつに天体研究があります。
今では散逸してしまい全貌は明らかになってはいませんが、
残された手稿の記述の中に思考を読み取ることが出来ます。
当初は水面に写る太陽の研究から始まり、やがて月の光に興味が移り最終的に
この世界が太陽の光によって認識できるという太陽の賞賛に辿り着くのですが、
中でも月に関しては手強い論敵と出会ったようで随分と熱心に取り組んだようです。
万能の天才はその人生でどこまで宇宙の真理に肉薄できたのでしょうか?
そして1985年、天体の運行を体現したような時計が現れます。
IWC 『ダ・ヴィンチ パーペチュアル・カレンダー』
当時の設計チーフであったクルト・クラウス氏の画期的なアイデアにより実現した
この時計は古来より暦と密接した関係を持つ月をムーンフェイズで表示し、
永久カレンダー、4桁西暦表示が搭載されています。
前置きが長くなりましたが、本日はそれから30年の時が過ぎリニューアルされた
「ダ・ヴィンチ・パーペチュアル・カレンダー・クロノグラフ」について私なりに語りたいと思います。
一度はトノー型に変更されたケースですが、1985年当時と同様の
丸型のケースへ戻ることとなりました。
ケース自体の円は刻一刻と広がる宇宙そのもの、インダイアルは宇宙に点在する銀河
そう妄想すると、この時計がよりスケール大きく感じられます。
12時に位置する夜空の色に月が輝くこのダイアルは我々の住む太陽系でしょうか?
こちらは永久ムーンフェイズと、時間と分のカウンターが同軸上に存在します。
3時位置にその月の日数を正確に刻んでくれるデイ・カウンター
日数の少ない2月も閏年も調整しなくてよいのは驚異的です。
6時位置に秒針と12ヶ月分のカウンター
IWCはこの位置のスモールセコンドにこだわりを持っているようで、9時位置に秒針のある
汎用ムーブメントを使った時計でも6時位置に修正して搭載しているものがあります。
脇には4桁の西暦が覗いています。
9時位置には曜日のカウンターを備えています。
裏から見えるローターは18金製。
まるで半月の如く光り、奥に見える歯車群は職人が組み上げた星々のよう。
この小さなケースの中に職人の作る宇宙が詰まっています。
この小宇宙を腕に乗せた時ジャストフィットするようラグは可動式になっています。
誰の手首の上でも心地よく魅せてみせようといわんばかりです。
稚拙な文章で語っては見ましたが、どうも魅力をお伝えしきることは私には難しいようです。
実際に拝見して欲しい。身につけてみて欲しい。
間近で見てこの時計の静かな存在感を感じるため是非ご来店下さい。
レオナルドがこの時代に生きていたのなら。
どのような時計が生まれていたでしょうか?
興味と妄想は尽きません。
ダ・ヴィンチ・パーペチュアル・カレンダー・クロノグラフ 3,380,000円(税別)
ステンレススチールケース 直径43mm 厚さ15.7mm 3気圧防水
自社製キャリバー89630 パワーリザーブ68時間
日・曜日・月・4桁の西暦 永久ムーンフェイズを表示する永久カレンダー
12時位置に同軸上に組み合わされたアワー・カウンターとミニッツ・カウンター フライバック機能
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